コレだけ読め!未経験Webディレクター必読のおすすめ本3冊

Webサイトやアプリの制作をディレクションをしていく上で必要な知識は多種多様です。未経験の方からすれば学習ハードルが非常に高いでしょう。専門的な知識を学ぶことはもちろん重要ですし、そのために専門書を購入し読み漁るのも良いと思います。
しかし、どれだけそれらを身につけても、ユーザー意識がなければ結局は小手先にすぎません。Web制作会社によるオシャレでカッコいいデザインが実際のところはユーザビリティが欠落しており、結果的にKGI・KPIを乱し、企業や事業に深刻なダメージを与えてきた事例を幾度となく目撃してきました。
Webサイトやアプリはユーザー、すなわち人間ありきで成立します。そういった意識さえ見についていれば、未経験だろうが何だろうが良いWebサイト、良いアプリを作ることは可能です。スキルは後から付いてきます。
これからおすすめする3冊はユーザー意識を頭に刻み込むのに持ってこいな名著です。10選、20選、30選と大量に薦められても困ると思うので、まずはこれだけ読んでおけば問題なし!というものを厳選いたしました。
超明快Webユーザビリティ

2000年に出版されたスティーブ・クルーグ氏による『Don’t Make Me Think』。世界中で読まれた正にバイブルといえる一冊です。日本では2001年に翻訳版の『ウェブユーザビリティの法則―ストレスを感じさせないナビゲーション作法とは』が。そして2016年には改訂と共に新たに翻訳され直した『超明快 Webユーザビリティ ―ユーザーに「考えさせない」デザインの法則』が出版されました。
内容としてはユーザーに考えさせないWebデザインを作るための基本原則がまとめられています。スティーブ・クルーグ氏は一目瞭然でないWebデザインがいかにストレスフルで信頼を奪うものであるかを説いてきます。使い物になるWebサイトを作れ!という激しい喝も。
Webサイトは人間が使うものです。中心となるのはテクノロジーではなく、あくまでも人間。斬新さ、カッコよさ、オシャレさよりも先に大事にすべきことが何かを学べます。ECの担当者などWebサイトやアプリで直接的に収益を生むことを任されている人にも刺さる内容だと思います。Web黎明期に書かれた本ですが、現代でも十二分に通用します。時代は変わっても本質は変わらないのです。
ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」

原題『The Elements of User Experience』は2005年出版というこれまた古い本。著者のジェシー・ジェームズ・ギャレット氏はUXコンサルタントで顧客はAT&T、ヒューレット・パッカード、インテル、モトローラなど錚々たる顔ぶれ。既に絶版なので古本で購入するか図書館で借りる必要があります。 ※都内では九段下にある千代田区立図書館で発見しました
この本を薦める理由はUXという今では当たり前のように使われている用語を深く理解できるからです。書いてあることがすぐに現場で活かせるようなハウツーではなく概念的ではありますが、制作の上流工程に携わる人なら読んで損はない一冊です。掲載されているジェシー・ジェームズ・ギャレット氏考案のUXを戦略、要件、構造、骨格、表層の5段階で表現した図はあまりに有名。ネット上で容易に閲覧できると思うので、興味があればまずそこからでも調べてみてください。しっかり読み納めることで、UXに関する議論の場における優位性が得られるでしょう。
IAシンキング Web製作者・担当者のためのIA思考術

先の2冊よりも実践的でなのがこれ。UXはよく聞いてもIAはあまり聞いたことがないという方は多いはず。IAとはInfomation Architecture(情報アーキテクチャ)もしくはその専門家であるInfomation Architectect(インフォメーションアーキテクト)の略です。
情報を分かりやすく、探しやすくするための技術である情報アーキテクチャ。この本ではそれをWebに携わる人すべてが持つべきスキルであるとし、サイトを構築するうえでの情報整理と設計の仕方を学ぶことができます。作者の坂本貴史氏はIA/UXデザイナーです。
ビジネスを左右する情報を取り扱うWebサイトの制作という行為には社会的責任が伴います。作り手側が「こういうのがカッコいい!」という感覚止まりで成果物を作ったり、ワイヤーフレームをコテコテに作り込むよりも先に、Webサイトという平面上で人に伝えたい情報を的確に伝えるためのスキルをしっかり習得することが重要です。